
AI(人工知能)技術を活用したセキュリティ対策とは
AI(人工知能)の学習機能を用いたセキュリティ対策の活用が始まっています。
昨年11月にトレンドマイクロ社は、AIの「機能学習機能型検索」を搭載した「ウイルスバスター コーポレートエディション XG」という新たなセキュリティ対策製品の発表を行っております。
これは、同社が提供しているクラウド型セキュリティ技術基盤の「Trend Micro Smart Protection Network」を用いた情報を、AIによる「機械学習型検索機能」でこれらの情報をもとに複数のアルゴリズムを用いて、EXEやdllなどファイルタイプ毎に適した学習モデルを使い分け、脅威を特定する仕組みです。
<図1>トレンドマイクロ掲載資料より引用
AI(人工知能とは)
AIとは、「Artificial Intelligence」の略語で人間が行っている作業をパソコンで模倣したソフトウェアやシステムのプログラムのことです。
特長としては人間が話す言語理解や論理的な推論、経験から学習する機能を備え、「学習・推論・判断」と人間が行う知能を人工的にプログラムに表したもので、今後の活用が注目を浴びています。
AIがセキュリティ対策に活用される背景
従来、未知のマルウェアなどの脅威対策に必要なことは、既存の脅威情報に基づいたパターンファイルやデータベースを活用する手法でした。
しかし、標的型攻撃やランサムウェアなど、年々高度かつ巧妙さが増しているサイバー攻撃が相次ぐ中、既存のセキュリティ対策だけでは、未知の脅威を素早く検知し、効果的なセキュリティ対策を行うことが困難となってきたことが背景にあります。
セキュリティ対策に活用されるAI技術
AIの特長である経験から学習するパターン認識を活かし、情報セキュリティの分野に応用することで未知の脅威を認識し、情報セキュリティ対策としての活用が始まりつつあります。
具体的には、AIの機能学習機能を応用し、未知のマルウェアなどの攻撃傾向や攻撃パターンを把握し、従来のデータベースに存在しない未知のマルウェアなどの脅威を検出・防御し脅威への対応速度を向上させることにあります。
また、AIの研究は今後も進展していくと考えられ、様々な研究・開発を経て、活用化が進展していくことが予測されます。さらにトレンドマイクロ社のように、既にAI技術を取り入れたセキュリティ製品の実用化に向け取り組んでいる企業もあります。